産後1年未満の母親たちから寄せられるお悩みの中に「大人と話したい」という声があります。

多くの母親が経験することですが、産後数ヶ月は外出を控え、家で育児をしながら過ごす日々が続きます。生まれたばかりの赤ちゃんの体の機能は未熟な上、母体も見た目以上のダメージを受けているため、病院に行くなどのやむを得ない用事を除いて外出を控えるのが一般的とされているのです。

そのため日中は赤ちゃんと二人きりで過ごすことが増えがち。赤ちゃんにこちらから話しかけることはあっても、「会話として成立するような応答」は期待できず、代わりに隣近所にも聞こえるほどの泣き声の対応に追われることもしばしば。どんなに赤ちゃんを可愛いと思っていても、大きな声で延々と泣かれた日や、立って抱っこしていないと眠ってくれないような日には、言葉を発する気力や体力が失われることもあります。

そうした中で夫が仕事中心の生活スタイルでほとんど家にいない場合などは、いよいよ誰ともまともに話せずに1日が終わり、虚無感や孤独感を募らせていく人も少なくありません。

どの程度話せば満足できる? 話し相手は誰でも良い?

では、産後の妻たちはどの程度話ができれば満足するのでしょう?

米メリーランド大学の研究結果に、人が1日に発する単語数は、男性が平均で7,000語であるのに対し、女性は平均20,000語…という報告がありますが、女性はこの内6,000語以下しか話せないとストレスを感じるそう。特に女性は"共感の生き物"と言われることからも、独り言ではなく、人とのコミュニケーションを通じて言葉を発することが大切になってくるようです。

その意味で、ママ友同士の集まりや子連れで参加する地域の集まりは話し相手と出会える貴重な場。ストレス解消にも効果的!と言えそうです。しかしママ同士の集まりは、どうしても話題が子どものことに終始しがち。自分自身について深く語る場面が少なく、当たり障りのないやりとりの中でアイデンティティを見失う感覚に陥る人もいれば、夫や夫の勤め先に対する愚痴大会に発展し、かえって疲労感を溜め込んでしまうという人もいます。

やはり「大人と話したい」とは言っても、誰でも良いわけでもなければ、話題も何でも良いわけではないということですね。

他の誰でもない「パートナー」と話したい。

では、産後の妻たちは一体誰と話したいのか。

産後、身の回りのお世話をしにきてくれた実家の母親?
お祝いに来てくれた夫の両親や兄弟たち?
出産を楽しみにしてくれていた友人?
職場の同僚?

・・・これまでに弊社で開催しているイベントやセミナーの場を通して見えてきたのは「夫と話したい妻の姿」。それも、単にお喋りを楽しみたいだけでなく、普段の家事、育児、仕事、住まい環境のことなど、「こうしていこう、ああしていこう」と、前向きな気持ちで現実を話し合いたい気持ちが強いということが分かってきました。

それもそのはず。夫婦は、現実を分かち合える唯一の存在。慣れない育児に悪戦苦闘し、時に落ち込むこともある産後の時期にこそ、人生を共に歩むと決めたパートナーである夫との間で希望が持てる未来を想像する時間が必要なのだと思います。

もちろん夫も、家を出てから帰宅するまでの間に仕事ですでに7,000語以上発してきている可能性が高く、その分家では静かに過ごしたい、しばらく黙ってテレビを見ていたいというような気持ちになることもあるとは思いますが・・・。

それでも、

・今日はどんな1日だった?
・大変なことはあった?
・嬉しかったことは?

などと、1日の終わりにお互いのコンディションを確かめ合うような感覚で声を掛け合う程度のコミュニケーションは最低限重ねていきたいものです。

間違っても、産後の妻が「誰とも話したくない…放っておいて…」と塞ぎ込んでしまうようなことにならないように。(それは産後うつの始まりかもしれません!)日々の小さな喜びから大変さまで、夫婦でちゃんと分かち合っていけたら良いですね。産後を機に、これまで以上に大切なことを共有し合える、そんなご夫婦が増えていくことを願っています。

「夫婦会議」を始めてみませんか?

「夫婦会議」とは、人生を共に創ると決めたパートナーと、より良い未来に向けて「対話」を重ね、行動を決める場のことです。

自分一人の意見を通すため・相手を変えるために行うものではありません。わが子にとって、夫婦・家族にとって「より良い家庭環境」を創り出していくことを目的に行います。

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家庭も仕事も大切にしたい…もっと夫婦で協力し合えたら…。そんな産後のご夫婦の声を元に開発した「夫婦会議ツール」です。家事、子育て、仕事、お金、住まい、セックス、自由時間、美容と健康、祖父母との関係など、産後の夫婦がすれ違いやすいポイントに的を絞って質問や例題を設定。夫婦を世帯の共同経営者に見立てた「世帯経営」というオリジナルの概念を用いて二人で問いに向き合う内に、大切なことを前向きな気持ちで対話できる夫婦関係が築かれていきます。

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それぞれが仕事や家事・育児に一所懸命取り組む日々の中、自分やパートナーがどういう状態を望んでいるのか?何に不安や課題を感じているのか?講師を務める私たち夫婦の体験談の他に、これまでリサーチを重ねてきたご夫婦の事例を交えた「産前産後のリアル」をお伝えしながら、ワークショップやディスカッションを通して「夫婦会議」を体感いただく場です。「誰にでも起こりうる産前産後の危機を乗り越え、我が子に幸せな家庭環境を創り出せる夫婦になる」そのためのキッカケをお届けします。子育て中のご夫婦はもちろん、妊娠中のご夫婦、これからお子さんをお考えのご夫婦、新婚さん、結婚前のカップルさん、ぜひご参加ください!