母乳かミルクか?紙おむつか布おむつか?離乳食はすべて手作りすべきか?…何が正解で、何が間違いなのか、それが分かり辛いのが子育て。だからパパもママも日々悩みながら、悪戦苦闘しながら子育てをしています。でも、正解を探すよりも大切なことがあるんです。それは…

それ、誰にとっての「正解」ですか?

辞書で「子育て」を調べてみると、"様々な年齢の子どもの養育全般を指す"と書かれてあります。

いつ育つのか?大人になるのか?という話はさておき、「子どもを養い育てること」が子育てであるならば、親の数だけ、人の数だけ「育て方」も変わってくるわけですが、私たちはついつい何が「正解」なのかを求めがちです。そして「完璧」を求めてしまいがちです。

 たとえば、子育てについて書かれた記事などを見ていると「それは間違い!」「これが正しい!」という趣旨のコメントが大量についていたりする。男女間、世代間、共働きか専業かなど、性別や立場、時代背景などから「子育て」に対する見方・関わり方が異なるため、それぞれが思う「正解」が違ってくるのはある意味当然だと思うのですが、「⚪︎⚪︎すべき」という主張は留まることを知りません。

 

でも、その「正解」はあなたの子育てに当てはまるものなのでしょうか?
そもそも、全ての子育てにあてはまる「正解」などというものがあるのでしょうか?

母性?父性?子育てにおける「本能」とは

人も含め、動物には「本能」があるとされています。それは元々自然界で生きていくために備わったもので、社会学、哲学、心理学などでは「生まれつき持っており、変更がきかないもの」などと定義されています。

そんな本能の中でよく耳にするのが「闘争本能」と「母性本能」。これらは一見すると相反するようですが、闘争本能を元に領土や食糧、愛する人を勝ち取り、母性本能を元に、次なる命=子どもを育み、子どもを守っていく…という「子孫を残すため」の共通の目的を持っているのだそうです。

では、子育てにおける「本能」とは一体何なのか?先に述べた「母性」、あるいは「父性」もその一つかもしれませんが、私はもっと単純に表現されるものなのかな?と思っています。

 

それが、「子どものため」という思い。

 

そこには正解も不正解もない、「愛情」や「命にかえて守っていく」という親としての純粋な願いが詰まっているのだと思います。

※ちなみに「母性」や「父性」は生まれながら備わっているものではなく「育まれるもの」という見解もありますので補足しておきます。

「子どものため」という思いの罠

実際に、世の中の親たちの多くが「子どものため」にという愛情でもって、日々の家事・育児・仕事を頑張っています。それぞれに経済事情や生活事情が異なるため、「子どものためにできること」に大小差が出てくるのは当然ですが、その時々で自分ができる精一杯のことを模索し、子育てに取り組んでいる。そしてそこには、正解か不正解かという以前に、親として、あるいは人として「当たり前」と思うことを追求する「本能」のようなものが存在しているようにさえ感じます。

 

しかし、「子どものためを思ってしていた"当たり前“」が、時に子どもを苦しめることもある…としたら?

 

たとえば、虐待や育児放棄などの加害者になってしまった親たちから聞かれる決まり文句に「この子のためと思って…」という一言があると言います。子どものためを思っていても、親たちの「当たり前」が歪んでしまえば、行き過ぎた行為、事件に発展してしまうことがある。子どものために…という思いが、意識的であれ無意識的であれ子どもを追い詰めたり傷つけたりしてしまう原因にもなるということも、子を持つ親として知っておきたいことですね。そしてそれはどんな親でもありえることかもしれません。

あなたにとっての「当たり前」は何ですか?

「子育て」は人それぞれ。親である自分自身の歩んできた人生や考え方を筆頭に、夫婦関係、仕事の状況、祖父母などの周囲の支援、時代や社会情勢など、ありとあらゆるもの・ことが影響すると感じています。それはつまり、子育ては関わる人や環境次第でどうにでも変わるものであり、親の数だけ、子育ての正解があるということです。

 

だとしたら、誰かと比べて正解を探していてもキリがない!

 

特別じゃなくても裕福でもなくても良い。「子どものため」に自分たちができる「当たり前の子育て」をすることが、一番大切なことではないかと思います。

そのためにも、正解、不正解と◯✖️を付けるのではなく、普通に…当たり前に…日々向き合っている「自分の子育て」にまずは自信を持ちましょう!

その上で、時どき自分が思う子育ての「当たり前」を見直してあげれば良い。自分の当たり前=世の中の当たり前ではないのかもしれないと、自分が「当たり前だと思い込んでいる子育て」をほんの少し見直してみるゆとりを持つことさえできれば、それで十分なのでは?と私は思います。

 

つづく…

過去の記事

おせっかい隊:矢野 浩樹(やのひろき)

久留米大学卒業後、独学にて保育士資格を取得。学童保育、保育所、子育て支援など子どもに関わる仕事を経験。現在も子どもや家族、青年達の支援や活動をメインとしている。
また「完璧な親なんていない!」NPファシリテーターとして子育て中のお母さん達に向けての子育て講座や多方面に渡り活躍中。西日本新聞ネット版「FanFunFUKUOKA」では、既に100を越えるコラムを書き、今も発信中!奥さんと3歳の娘、そして17年1月に第二子の息子が生まれ、日々子育てに奮闘中!!