「子どものことだけで1日が終わった…」という経験をしたことはありませんか?

授乳や離乳食、オムツ替えやお風呂入れなどの基本のお世話から、公園遊び、絵本の読み聴かせ、寝かしつけ、夜泣き対応…。月年齢によっても変わりますが、赤ちゃんや幼い子どもと過ごしていると、あっという間に時間が過ぎ、自分の時間が無くなったように感じる人も少なくありません。でも本当に、自分の時間は無くなってしまうものなのでしょうか? 

「自分の時間が無い!」と感じる理由

1日24時間。時間は誰にとっても平等…なはずですが、子育てをしていると「自分の時間が無い!」と感じることが多々あるもの。私自身、2歳になってイヤイヤ期真っ只中の娘との生活の中で、思い通りにいかない場面に度々遭遇しています^^;

なかなか寝ない、なかなか起きない…にはじまり、食事が遅かったり、食べ進まなかったり。外出先で遊びに夢中になって帰ろうとしなかったり、お風呂に入らず遊び続けたり。

冷静に考えれば、親の私たちのイメージ通りに子どもが動くことの方が珍しい上に、イレギュラーが起きることの方が多いわけですが、どういうわけだか、その前提を忘れてしまう。

子どもの行動やスピードに対する時間見積りが甘いと言えばそれまでですが、仕事や家事を進める時間、夫婦で過ごす時間、趣味を楽しむ時間、睡眠時間などが削られていき、「本来自分がやりたいこと・やるべきことを思い通りに進められないことへのフラストレーション」が溜まっていく。まるで無駄な時間を過ごしてしまったかのような焦燥感でいっぱいになってしまう。そこで「自分の時間が無い!」という感情が芽生えてしまうような気がします。

では、どうしたら良いのでしょう・・・?

子どもにも「自分の時間」があることを意識する

一つは、子どもにも「自分の時間」があることを意識すること。これが、大切だと思っています。

どうしたって、子育ては一つひとつのことに時間が掛かるもの。その中で、子どもの行動やそれにかかる時間を親の尺度だけで決めない。子どもには子どもの尺度があることを意識し、その前提で、親である自分たちも時間の使い方を決めていくことができれば「自分の時間が無くなった!」という感情の負荷は軽減できるのではないかと思うのです。

 

例えば、1〜2歳の子どもが自分で靴を履こうとしている場面を想像してみてください。

もぞもぞしたり、左右違って履いてみたりしながら、それでもどうにか自分で履こうとする。親が手を出そうとすると「せんで!」と言わんばかりに手を振り払い、また、一からやり直す。そうやって、5分、10分と時間が過ぎていく。その横で「1分1秒と無駄にしたくない!」と焦る親の姿…そんな情景が浮かんできます。

普段、親の私たちが靴を履くのにかける時間は、どんなに長くても数十秒でしょう。それが数分単位でずれるわけですから、無駄な時間を過ごしているように感じるのは、ある意味当然のこととかもしれません。

しかし、「自分で靴を履く」という行為が子どもにとって無駄な時間か…と聞かれたら、どうでしょう。

その時間は、本人にとって「挑戦の時間」…昨日より早く履けた!という達成感に向かって知恵を絞ったり、楽しんだり、無我夢中になっている貴重な時間なのかもしれないと考えると、一概に「無駄」とは言えなくなるのではないかと思います。

 

子どもたちは、日々時間をかけていろんなことに挑戦をしています。
その時間に寄り添い、見守ることができるのは、親である私たちの特権です。
さらに言うと「自分の時間」は子どもの成長に活かされた、価値ある時間とも言えます。

 

そう考えると、他に自分がやりたかったことに掛けられる時間が無くなったとしても、それは「無駄なことに時間を費やした結果」ではないということ。子供の成長に必要な時間、大切な時間だったと思える場面を増やしていくことで、「自分の時間が無い!」という負の感情から解放されるのではないかと思っています。

「親子の時間」という価値観

ここまで読んで、「なんだ、そんなの気休めじゃないか…」と思った方もいるかもしれませんね。そうです。確かに、気休めです(笑)・・・が、そうやって自分の時間に対する価値観や見方を変えていくことが、「時間が無い!」というストレス感情から抜け出す第一歩だと私は思っています。

 

考え方ひとつで時間は変わる。

子どもと過ごす時間が原因で自分の時間が無くなったと思うのか、子どもと過ごす時間があることで、自分の時間が充実したと思うのか。これは、大きな違いです。

子どもと過ごす時間に苦手意識や抵抗感を持つよりも、リフレッシュや楽しみ、喜びに繋がる感情を持てるように自分を整えていくこと。子どもと過ごしている時間を、「親子の時間」として自分の中で捉えることができれば、時間の過ごし方(使い方)が変わってくるのではないかと思います。

とはいえ「自分の時間」はほしい!

そうはいっても、「自分の時間」はやっぱりほしいもの。


「子どもの時間」「親子の時間」と、それぞれ大切に思い直すことで、「時間が無い!」という負の感情やストレスを多少軽減できたとしても、「自分がやりたいこと・やるべきことを思い通りに進められないことへのフラストレーション」は減らない!という方も多いと思います。

そんな方は、「自分がやりたいこと・やるべきこと」の重要度や緊急性を一度整理してみてください。

そんなに大切じゃないことや、今やらなくてもいいこと。自分一人で頑張らなくてもいいことを、「その日自分がやりたいこと・やるべきことリスト」に加えている可能性はありませんか?そもそも1日でできないような量の仕事や家事を抱え込んでいませんか?自分の状況を棚卸しする中で「無理や無駄」が見えてくる。そこを、配分し直していくことが時間捻出のポイントだと思います。

 

「育児疲れ」で心や体を病んでしまう人は少なくありません。

そうなる前に、パートナーや祖父母、職場の仲間に相談しながら、「自分が納得出来る『自分の時間』」を1日の中につくっていきましょう。嘆いたり、仕方がないと諦める前にできることは意外とあります。

子育てしていても、自分の時間は創り出せる!そんな心持ちで普段の時間の使い方を見直しながら、子どもの時間、親子の時間も尊重できる「親」でいられたらいいですね!お互いに頑張りましょう!

 

つづく…

過去の記事

おせっかい隊:矢野 浩樹(やのひろき)

久留米大学卒業後、独学にて保育士資格を取得。学童保育、保育所、子育て支援など子どもに関わる仕事を経験。現在も子どもや家族、青年達の支援や活動をメインとしている。
また「完璧な親なんていない!」NPファシリテーターとして子育て中のお母さん達に向けての子育て講座や多方面に渡り活躍中。西日本新聞ネット版「FanFunFUKUOKA」では、既に100を越えるコラムを書き、今も発信中!奥さんと3歳の娘、そして17年1月に第二子の息子が生まれ、日々子育てに奮闘中!!