地震や台風、豪雨などの自然災害と隣り合わせの日本。
皆さんは「いざ」という時の備え、できていますか?

2011年の東日本大震災を機に防災意識が高まったとはいえ、2015年に内閣府が公開した「避難所の運営等に関する実態調査」によると、赤ちゃんを含む要配慮者への物資を備蓄している自治体は「55%」とのこと。

避難所に行けば大丈夫だろうと思いきや、身の回りのお世話が必要な赤ちゃんに関する物資は、なかなか手に入りづらいこともあるようです。

赤ちゃんを連れて避難することになった時に慌てずにすむように。
今回は、いざという時に落ち着いて行動するために知っておきたい最低限の防災知識として以下の3点をご紹介!

 

1、赤ちゃんの防災グッズ

2、簡易オムツの作り方

3、母乳・粉ミルクの代替品


すでに知っている!という方も「夫婦で共有できているかどうか?」という視点で、読み進めて頂けたらと思います。
 

1、赤ちゃんの防災グッズ

避難所での生活を余儀なくされた時、赤ちゃんや小さな子どもがいるご家庭では大人とは異なる防災グッズが必要になります。

基本的には、普段赤ちゃんや子どもを連れてお出かけをする際に持ち歩いているものプラスアルファという考えでOK!・・・ですが、現状用意されている防災バッグの中に「最低3日分(できれば1週間分)」はお世話に必要なものを用意できているか?以下のリストを参考に夫婦でチェックしてみてください。

 

備えておきたい「赤ちゃん・子ども」の防災グッズ

季節やお子さんの成長に応じて定期的に防災バッグの中身を見直しましょう

・母子手帳
・医療証
・健康保険証
コピーをとって保管しておく。母子手帳は出生時の情報と予防接種の記録を最低限コピー。
・ガーゼ
・タオル
・毛布(ブランケット)
タオルは小さいものばかりでなく、体を包んであげられる「バスタオルサイズ」もあると良い。
・着替え靴下や靴などの「足を守るアイテム」や、レインコートなどの「雨を避けるアイテム」は子どもサイズが手に入り難いため、用意できていた方が良い。
・オムツ
・おしりふき
月年齢によるが、1日に使う平均枚数を考えて用意する。
おしりふきは体を拭きあげる際にも重宝するので多めに用意しておくと良い。
・ミルク/哺乳瓶
・離乳食/おやつ
・水(軟水)
・スプーン/ストロー/コップ
母乳育児中の赤ちゃんでも、念のために「粉ミルク(スティックタイプ)」「液体ミルク」を用意。離乳食は「スプーン付き」のものが便利。おやつは飽きないようにお気に入りのものを数種類用意。
・絵本
・おもちゃ
月年齢に合わせたおもちゃや絵本を用意。大きな音が出る物は避ける。
・歯ブラシ
・保湿剤
・爪切り
赤ちゃんや小さな子どもが使えるサイズ・素材の衛生用品は避難所で手に入りにくい。事前の用意がとても大切。
・ビニール袋
・チャック付き袋
ビニール袋は簡易オムツを作る際にも役立つ「レジ袋サイズ」のものから、体を覆える大きめのサイズのものまで、荷物にならない範囲で数持っておくと良い。チャック付き袋も、ちょっとしたものを小分けしたり保存したりする際に重宝する。
・抱っこ紐大人の両手が使える状態にできるタイプの抱っこ紐を用意。
・使い捨てカイロ暖をとる際だけでなく、離乳食やミルクを温める際にも有効に使える。
・薬子どもは熱を出しやすいので「解熱鎮痛剤」はあると重宝する。
他に、風邪薬やぬり薬など、子どもの状況に応じて常備した方が良い薬を用意。

被災地域の状況によっては、特に赤ちゃんの「オムツ」や「粉ミルク/液体ミルク」などの必需品がすぐに手に入らないという場面に遭遇することがあるかもしれません。

そこまで困窮を極める状況にならないことを願うばかりですが、もしもの時のための豆知識として以下で「簡易オムツの作り方」と「母乳・ミルクの代替品」をご紹介します!

 

2、簡易オムツの作り方

簡易オムツの作り方はとっても簡単! 

1)レジ袋を用意します。

2)レジ袋の持ち手と両脇を切り、長い一枚のビニールにします。

3)2)の上にタオルや清潔な古着などを敷きます。

4)赤ちゃんのお尻に当て、おむつのようにかぶせて腰のあたりで結びます。

これだけで、完成です!

普段のオムツのような快適なつけ心地ではないかもしれませんが、「オムツがない…」ということに対するパパやママの心理的な負担を減らすことが、結果的に赤ちゃんの情緒の安定にも繋がります。いざという時には試してみてくださいね。

また、オムツ交換の際にはおしり以外の部分を含め、赤ちゃんの肌の状態も気にしてみてください。

被災生活の中でお風呂に入ることができない状況が続いた場合、「あせも」や「とびひ」などの肌トラブルを抱えるリスクが高まります。

たとえお湯を浴びることができなくても、おしりふきや濡らしたタオルで体を拭くなど、清潔さを保つ努力は続けましょう。

 

3、母乳・ミルクの代替品

母乳育児を行っている方の中には、被災のストレスで一時的に母乳が出辛くなる方もいらっしゃいます。

しかしこれは一過性のもので、万が一母乳の出が悪くなっても、お母さん自身が水分や栄養補給を続けていれば、赤ちゃんが吸う刺激で母乳はつくられると言われています。

「もう出ない」と諦めてしまう前に、できるだけリラックスした状態でおっぱいを吸わせてあげられるよう、周りに協力してもらいながら授乳環境を整えてみてください。

その一方で、被災時には「赤ちゃんの脱水症状や低血糖を防ぐこと」を第一に考えた行動が何より大切です。

赤ちゃんのおしっこの出が悪い(回数や量が減っている)など、母乳で十分な水分を摂取できていないような症状が見られた際には、こだわりを捨ててください。そして、粉ミルクや液体ミルクの利用をはじめ、下記のような方法で糖分や水分を補うことを、ぜひ検討してください。

・糖水(氷砂糖やスティックシュガーをお湯で溶いたもの)

・お米のとぎ汁(お湯で薄めたもの)

・果汁(果物ジュースを水やお湯で薄めたもの)

・経口補水飲料(ポカリなどをお湯で薄めたもの)

※お湯が沸かせない時には、カイロなどでぬるくした冷たすぎない水を使用します。

普段から母乳しか受け付けない、哺乳瓶でしかミルクを飲まないなど、赤ちゃんによってはいつもと異なる状況下での水分補給が難しい場合もあるかと思います。それでも、根気強くコップやスプーンを口に当ててあげる中で赤ちゃんは上手に飲んでくれるようになります。

なるべく清潔な容器を使って、糖分や水分を補ってあげてくださいね。

 

夫婦で定期的に「防災対策」を話し合おう!

いかがでしたか?

備えや心得の有る無しで状況が一変する避難所での生活。

中でも、赤ちゃん連れでの避難は想像以上に人手や物が手に入らずストレスが大きいと言われています。

そうした中で、夫婦・家族間はもちろん、周囲とも協力し合いながら避難生活を乗り越えていけるように。まずは、夫婦であらゆる状況を想定しながら、わが子の状態や住んでいる地域の特徴に応じた防災対策を話し合う機会が持てたら心強いですね。

わずかな情報ではありましたが、ご夫婦・ご家庭ごとの防災体制を考えるキッカケになっていれば幸いです。

思い立った時に、ぜひ話し合ってみてください!

 

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